皆さんが通常、目にしている住宅の建築現場。 その中で、木材を使って建てられる家はたくさん あります。 しかし実は同じ木造でも、私たちの 手がけている伝統構法による木の家とは違うも のがそれらの多くを占めています。
伝統構法以外の木の家には、大きく分けて 次のような種類が存在します。
私達が言う「伝統構法」ではない、それらの木の家はいったい何がどうなっているのか・・・。
「在来工法」は関東大震災後に定められた建築基準法が基になっています。 「ツーバーフォー工法」「ログハウス」は、海外から輸入された技術です。いずれにおいても日本国内での歴史はまだ浅く、また建物の竣工から解体までの平均寿命は30年以下だと言われています。それに対して、百年以上も前からそこに建ち続け、磨けば再び輝きを見せてくれることの真実が伝統構法にはあります。
戦後の住宅建設ラッシュに伴い取り決められたルールに従って、早く簡単に家を作ることより伝統を受け継いだ建物から学び得た技術と、現代から未来への時間の変化に対応できる工夫を取り入れた建物を創りたいです。
ただ、一つ御理解を頂きたいと思うのは、私達は「金物を使うのが良くない」とか、「安い家が悪い家だ」と言う事を言い、自分達を正当化しようとは思いません。時と場合によっては、金物で補助する事も必要だと思います。限りある予算の中で家を建てなければならない場合、どこかを削らなければならない時も来るかもしれません。その時に、私達は助言こそ出来ますが、決定権はありません。無理を言われた場合、仕事をお断りする事もあるかもしれません。しかし、それは自分達の仕事に責任と誇りを持っているからです。責任の持てる仕事を、責任の持てる範囲でしか仕事が出来ないのです。二つ返事で、仕事をする事が出来たらもっと儲かっているのかなぁ・・・、と思ってしまう事もありましたけど(苦笑)。
でもやっぱり、良い家、後世の人に見られても恥ずかしくない仕事、そして何より造っていて、楽しい、達成感のある仕事をしたいです。