日本家屋の内装

本物という真価

伝統構法・伝統工法への想い

日本に建ち続ける住まいには、やはり日本の土地・気候で育ってきた素材(特に構造材)を使うのが、より良い選択だと思います。

世の中に情報が氾濫しすぎていて、私達自信も 「伝統構法ってそもそも何?」ということを考え、日々議論しております。そこで、私達が考える、伝統構法とはこういうものであって欲しいという想いの一部をお話ししたいと思います。

駄な手間を省き木のショウを利用し、組み上げるのが本来の伝統工法であり、組み方が悪いが為に余計な手間によってカバーするような組み方、それは伝統工法ではないのではないか。

日本家屋の外観

確かに手間は掛かりますが、エネルギーはあまり使わなくてすみます。無理・ムラ・無駄を可能・個性・必要に変える。もともとの材料をいかに傷めないで、木の持つ欠点をカバーして長所を伸ばす。木・素材の癖や短所をも、長所に変えることが出来る。試行錯誤の繰り返しが「知恵」になるとしたら、伝統構法は積み重ねあげられてきた「知恵の結晶」です。欠点を利点に変えてしまうのが伝統工法。ねじれ、曲がり、収縮、これらを構造的強さに変える技術があります。木の癖を読まずして伝統工法ではなくその手間を惜しんでは伝統工法はありえない。日々、創意・工夫をする楽しみもあり、苦しみも伴います。簡略化への道へ歩むのは、伝統工法ではない。規模が大きい建物だから手間をかける、小さい建物だから手間をかけなくて良い、ということはありえません。

本来、伝統工法が遺憾無く発揮する方法とは、ずっと昔から建っている建物のような石場建ての建物ではないでしょうか。しかし、私達を取巻く環境(法的な環境も含む)が、現代の建築を取巻く「早く、安く、お手軽」にという精神にそったやり方とは掛け離れ過ぎている為、それを実践することが難しくなっていま す。又、工期が掛かりますので建築コストも必然と上がるのが現状です。私達職人は、その時々に全身全霊で心を込めて、一棟一棟手づくりで仕上げていくだけです。それが、伝統構法に繋がって行くのではないでしょうか。

工事中の日本家屋